鳥獣被害を減らし、そしてしっかりいただくために

店主である私は、山里で猟師をしながらジビエカフェを営んでおります。猟師免許を取得後、普段は山里へ鳥獣被害を減らすため狩猟に行き、駆除した動物を美味しいジビエ料理としてカフェで提供しております。ジビエの処理は時間勝負。1時間以内に解体処理をしないとガスが溜まり、肉に臭みがついてきてしまいます。 店舗の横に解体施設を設け、駆除した動物をより迅速に活用できるようにし、新鮮で美味しいジビエ肉のご提供を行っております。

命を奪う罪悪感との葛藤

愛知県豊田市では、猪や鹿といった鳥獣被害が年間で約1億3,400万円(令和4年度)もの発生があり、地域や農家さんにとっては大きな問題となっております。私は数年前この山里で走る猪に遭遇し、地元の方が「荒らす猪を獲ってくれればな…」というつぶやきを聞き、私は猟師になると決意をしました。

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そして散弾銃を使用できる第一種狩猟免許を取得し、猟友会に入ってこの地の有害鳥獣の駆除に関わりはじめました。
しかしいざ、命を奪うとなると恐怖や罪悪感があります。忘れもしない、はじめての狩りでは今でも脳裏に焼き付いているほど。でもこれも「被害を少しでも減らすため」と、私は多くの方からの声に背中を押していただけることもあり、年間100匹ほどの鳥獣を狩猟し続けています。

これからも山里に入り、鳥獣被害を減らすため狩猟を続けてまいります。

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駆除鳥獣の命をもっと大切に、無駄にしないため。

では、駆除した動物たちはどうなるのでしょうか?実は全国で見ると約9割は埋設されている現状なのです。「たとえ悩みである鳥獣でも、美味に変化させることができたら…」。私はもともと調理師免許を持っていたこともあり、狩猟した動物たちを素早く解体できるよう解体所を設けた、最後まで美味しくいただけるジビエ料理提供のカフェをはじめました。

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様々な調理を研究し、あらゆる鳥獣の美味しい食べ方を見つけ、提供しています。

店名にもある「Mui」とは、“自然のまま、ありのまま”という『無為』から命名をしました。皆様にも、“食べる”ことから山里の現状に目を向けていただけたらと思います。奪っていい命があるわけではないです。人の生活を守るためにいただく命があります。

そんな『命の大切さ』に感謝をしながら。

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猟師として、店主として。

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スーパーなどに行けば、肉も魚も買えます。鳥獣に限らず誰かが命を奪って私たちは食べています。
ならば獣の肉だろうときちんといただこう、そう想いながら食べることが責任だと思っています。

そして美味しく調理して食べることができるということを少しでも知っていただく活動を続けていくことが、猟師、店主しての想いです。

山里カフェMui
オーナー  清水潤子